建物、設備の維持・修繕

大規模修繕工事 等

大規模修繕工事とは?

一般的に12~15年周期で足場を架けて行われる外壁・防水等修繕工事を言い、マンションの建物性能や、皆様の良好な住環境を維持するために行われます。
外壁・屋根、皆様のバルコニーなど足場がなければ出来ない場所の修繕を、まとめて同時期に行うことで、居住者の皆様の生活面でのご負担を軽減することや、コスト面でのメリットがあります。

大規模修繕工事の流れと期間

基本的な流れは以下のとおりです。
現状把握から竣工引渡まで1年半から2年ぐらいの期間を要しますので、準備期間を見据えた修繕計画の検討が必要です。

合計1年半~2年

内外壁塗装

10~15年周期で外壁に足場を組立て、外壁塗材の経年劣化による塗替えとともに外壁のひび割れ、錆鉄筋露出等の劣化補修を行います。外壁の補修はマンション修繕工事において最も重要な工事であり、足場組立後、外壁の劣化箇所を十分調査し、適切な修繕を実施することが求められます。また、事前調査によるコンクリート中性化試験・塗膜付着力強度試験も外壁仕上げ材選定の重要な要素となります。
外壁塗替えに使用される仕上げ材の性能をグレードアップすることにより、コンクリート躯体の保護性能や塗膜としての耐候性、低汚染性を向上させ、建物の資産価値を高めることにもつながります。

外壁の仕上げ材として使用されるタイルは、塗装に比べ耐用年数が長く、優れた外壁仕上げ材ですが、経年劣化やコンクリートのひび割れ等により、タイルの浮きやひび割れが発生します。タイルの浮きやひび割れを放置したままにしておくとタイルの剥落による⼈⾝事故、住⼾内への漏⽔につながるので補修が必要です。
タイルの劣化・損傷箇所については、その状態や程度により貼り替えや補修(樹脂注入や目地補修等)を行い、タイル面の洗浄クリーニングで美観の回復を図ります。

鉄部塗装

マンションには鉄骨階段、手摺、鉄扉等鉄製品が様々な部位に使用されています。
塗装工事はこれら鉄製品の防錆と美観の向上を目的として実施されています。
鉄製品が設置されている場所や塗装仕様によって劣化状況が異なりますが、一般的に5~7年周期で塗り替えが必要になります。また、近年では防錆性と耐候性に優れた塗料が採用されるようになってきており、このような塗料を使用することにより、塗り替え周期の延伸とトータルで見たコスト低減が期待できます。

防水

マンションの屋根は陸屋根や勾配屋根があり、屋根材にも複数の種類があります。
陸屋根は防水材の防水性能により雨水の浸入を防止するのに対して、勾配屋根は屋根材の施工処理によって雨水の浸入を防止します。
いずれも年数が経過すると防水性能等が低下し、下階への漏水に至る恐れがあるので12~18年周期で防水層の全面的な改修工事が必要です。

年数の経過した建物ではバルコニー床面は防水層がない場合が多く、あっても防水モルタル程度です。徐々に防水機能が低下します。又、近年の新築物件では防水処理が行われていますが経年劣化と共にその防水性能が失われていきます。
どちらの場合も下階バルコニー天井へ漏水が発生するので、大規模修繕工事等、足場架設時に新規防水を施すことが重要です。
床改修で用いられる主な工法にはウレタン塗膜防水工法・塩ビシート貼り工法などがあります。

一般的な開放廊下床には防滑性塩ビシートが施されているケースが大半です。
しかしながら年数が経過すると塩ビシートが硬化し継ぎ目部分が破断したり、摩耗により防滑性能も低下します。そこで10〜15年周期で塩ビシートの全面貼り替えが必要です。
一方、外部階段床にはコンクリート製、鋼鈑製等があります。
いずれも部材を保護する目的と防滑・消音性能の向上、ならびに美観性の向上からウレタン塗膜防水工法もしくは階段専用塩ビシート貼り工法などがあります。

設備・その他修繕

蛍光灯などは安定器の寿命が8〜10年と言われ、大規模改修工事時に更新提案を行います。その時には従来品ではなく、省エネタイプの器具の採用や、リニューアルに合わせて新しいデザインに変更するなど、新しい共用空間作りのご提案もさせて頂きます。

ブレーカーが正常に動作している時は、コンセントなどを火災事故から守るように考えられています。同じ回路でブレーカー落ちを繰り返すと、正常に機能しなくなり事故から守れなくなります。そこで、より安全な、漏電事故、コード火災などを未然に防ぐ機能をもった住宅分電盤に取替えることをお勧めします。
また、一住戸当たりの電気容量も時代の流れとともに増えて来ており、容量の不足している物件には、マンション全体の電気容量増加工事を、また、最新の機器が利用出来るような安全で快適な生活のご提案もさせて頂きます。

アスファルト舗装から、透水性が高く美観的にも様々な色合いで美しく仕上げることが出来るインターロッキングブロック舗装への切り替え。

気密・断熱性・遮音性に優れデザインも豊富なドアへの取替えや、耐震ドアへの取り替え。

車いすのスムーズな通行やつまずき防止のため段差部分のスロープ化。
階段、スロープ部への手摺新設。

出入口扉のオートドア化、照明・防犯灯の整備、防犯カメラの設置、侵入防止フェンスの設置。

廊下・バルコニー等の手摺で機能的に支障があるものは、アルミ、ステンレス製の手摺に取り替え。

マンションの「顔」でもあるエントランスホールの仕上げ材やデザインのグレードアップ。併せて集合郵便受けや掲示板、照明器具の性能、デザイン等のグレードアップを行うことによりマンションの価値を高めます。